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巻頭通信2018年5月号


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動物の魅力を広げるためには

理事 吉田 尚子

いつも日本動物病院協会および動物介在(CAPP)活動(広義:アニマルセラピー)をご支援いただき、感謝申し上げます。
新春号で弊会理事の東京大学教授 西村亮平先生が「ペットとの共生社会の実現」のために…とても分かりやすく記述して下さいました。その中で私が担当している動物介在活動や広報について書かせていただきます。

●よりよいコミュニケーションと正しい情報発信●
木俣新会長が率いる、現JAHA日本動物病院協会のスローガンの一つが「活発なコミュニケーション」です。
会員の皆さまの想いと、動物病院業界の発展、動物との健全な共生のために有用な情報を、より多く社会に発信してもらうために、マスメディアとのコミュニケーションは本協会にとって、たいへん重要だと考えています。
広報担当として大切にしていることは
・取材をいただくとき、各メディアの特徴をふまえて、適切な情報を簡潔に準備
・動物との暮らしやこの業界の魅力が伝わるように努める
・専門知識がなくてもわかるように表現を工夫し、動物病院関係者や動物への理解を深める取材になるように調整する
最近はテレビ、雑誌、新聞以外にウェブニュースサイトからの取材が頻繁にみられます。
どのメディアでも見出しで
「アニマルセラピーで認知症が治る?」「情操教育に犬の効果」などが出ることはよくあります。この部分だけが先走って広まってしまうとありがちなのが、「最近物忘れがひどいおじいちゃんに子犬をプレゼントしてみよう」とか、「共働きで忙しいし、寂しさを紛らわし、情操教育にもいいなら、前から欲しがっているし、小学校にもあがったから、子どもにそろそろ犬を飼ってあげよう」です。
お年寄りと子ども、どちらも十分に適切な飼育環境を供給できない場合が多く、その場合しつけの失敗や放置すれば動物にも飼主にも負担やストレスがかかります。ひどい場合は飼育放棄という、子どもにトラウマを残す結果になり、HABの良い効果どころではありません。
ペット飼育の良い効果を得るには、適切な飼育に加え、人も動物も双方が満たされ、幸せであること、たくさんの愛情前提ではじめて期待できる。そのことは、必ず強調して発信するようお願いしています。同時に現場で専門職である我々がきちんとフォローしていくべきでしょう。
 メディアからの取材内容から、今社会がどう動物や業界をとらえているのか、みえてくることがあり、自然と向き合うべき課題をみつけるきっかけにもなります。

●専門家同士の連携●
 「他の領域の人たちとの連携」についても西村先生が記述されました。
本協会は行政との連携協力に早くから取り組み、公衆衛生面や適性飼育の分野でコミュニケーションしてきました。
 また、関係各位の多大なご尽力により、はじめてセラピー活動の調査研究事業に着手することができました。私がこれまで関わってきた活動でも、研究実施のシミュレーションをしたことがありましたが、対象が被虐待児だということで、サンプル採取時のストレスやプライバシーの問題などの理由から、調査研究には至っていません。先述の調査研究事業には特別な期待を寄せています。
5年ほど前、はじめて行った小児医学会でのドッグセラピーの10分程の活動報告後、会場からの質問は、もっぱら「アレルギーや動物由来の感染への疑問」でした。今年お招きいただいた二つの学会(日本タッチケア学会、愛知県病弱児療育研究会)では、どちらも約80分の教育、特別講演。終了後も各機関の小児科医や病院長からの、より具体的な実施に向けた質問が多岐にわたり寄せられました。
 科学的エビデンスと、私達が現場で実際経験する犬の素晴らしい影響の印象とを一致させることは、素晴らしいことですが、先述の通り容易ではありません。現場では、セラピーに相応しい空間になるよう、ボランティアさん同士、動物の質や空気を、幸せで笑顔の伝わるものに保つよう、地道な努力を積み重ねます。すぐにはエビデンス獲得に至らなくても、「笑顔がふえた」「素晴らしい」といった、現場の主治医やナースによる評価、新聞やテレビ、我々の年次大会などでの発表は、社会にその効果を語りかける、確かな力となることでしょう。

さいごに
広報では、動物のとの暮らしや、医師達をも唸らせる素晴らしい犬達の魅力を、引き続き発信します。社会がマスコミを通して本協会(業界)に投げかけるさまざまな疑問やリクエストに丁寧に応えていきます。
そして、ペット飼育の魅力が継続的に伝わるように、私たちの本業である獣医療とパラメディカル分野を充実させます。最期に
「もうニ度とこんな辛い思いをしたくない…」
「この子が私達にとって最初で最後のペット」ではなく
納得のいくターミナルケアと温かいサポートの力で
「また次の子にこの命をつなぎたい」と思ってもらえる飼い主をふやしていく。
業界の発展=人の幸せ。ペットの魅力、共に生きる幸せを経験した人は、その輪を広げる。愛情をもってペットと暮らす人が増えれば、社会は豊かになるはずなのですから。

「共に生きる」を掲げる、キャスターの滝川クリステル氏が率いる一般財団法人 クリステル・ヴィ・アンサンブルとのお付き合いも大切にしています。
感情にとらわれず、丁寧な情報収集と質の高い発信力、研究熱心な財団の皆さん。
知的で動物をこよなく愛する滝川代表ならではの影響力は、一般社会のみならず、第一線で社会をリードする各界をひきつけ、同じく動物と人の共生を目指す私たちにも大きなパワーを注いでくれます。

●Project Redからのおねがい●
さて、私がアドバイザーとして活動をサポートしている滝川クリステルさんの財団、一般財団法人クリステル・ヴィ・アンサンブルは、これまでにもご紹介したことがある「PROJECT ZERO」2020年までに犬猫の殺処分ゼロを目指す活動と並行し、絶滅の危機に瀕した野生動物を救い、生態系を守る「PROJECT RED」にも取り組んでいます。
現在は、ボルネオにいるオランウータンやボルネオ象を保護する活動の他に、同じく財団のアドバイザーである獣医師の齊藤慶輔先生が代表を務める猛禽類医学研究所と共に、国の天然記念物であるオオワシなどの猛禽類が鉛中毒によって大量に死んでいる現状を変えるために、「日本全国で狩猟における鉛弾の使用禁止を求める嘆願書」への署名活動も行なっています。
オオワシは狩猟の際に撃たれたエゾシカの死体と一緒に鉛弾の破片を食べ、鉛中毒になり死亡しています。北海道では、2004年からヒグマを含む全ての大型獣の狩猟で鉛弾が使用禁止になり、2014年からは、エゾシカ猟の際に鉛弾を「所持」することが条例で禁止されました。しかし、鉛弾の誤食による野生動物の鉛中毒を根絶するためには、全国規模で狩猟に使われる鉛弾を規制し、無毒の銅弾などに移行することが必要です。規制のない道外からハンターが鉛弾を持ち込み、使用している可能性が高いこと、そして鉛弾で撃たれたものの致命傷とはならず、逃げ延びた獲物がどこか別の場所で死に、オオワシなどに限らずこれを食べた他の動物が鉛中毒の被害に遭っている可能性が高いからです。
流れは確実に規制強化の方向へ動いています。いま私たちが声をあげれば、全国規模の規制の後押しとなりますので、是非とも会員の皆さまにも現状を知っていただき、署名に協力いただければと思います。
オンラインでは「change.org」から受け付けています。URLは http://goo.gl/qkMwto です。QRコードもご利用ください。
年内に10万筆の達成を目指しています。どうぞよろしくお願いします。

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