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巻頭通信2018年7月号


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笑って、はたらこう!

専務理事 田中 治

「はたらいて、笑おう。」、テレビCMや看板で目にする、パーソル(パーソルホールディングス株式会社が展開するブランド)のスローガン。これをどういう意味と感じるかは、受取側によって様々だと思う。
このCMに最初に起用されたのは、世界的なエンジニアとして知られるスティーブ・ウォズニアック氏と、86歳で現役のトップモデルとして活躍するカルメン・デロリフィチェ氏であるが、この二人の人物像のためなのか、情熱を持って仕事を続けたその先には必ず幸せな未来が訪れる、すなわち成功するというような意味合いが込められているように、私は感じた。
しかし、パーソルがこのCMに込めた想いは少し違うようで、「働くことそのものを輝かせ、人生を楽しむことにつなげてゆくために、すべての働く人を支援したい」ということだ。このCMについて語るのは若干乗り遅れというか、旬は過ぎているかもしれないが、個人的に最近とても気になっている問題とつながるのでご了承頂きたい。
少子高齢化が進む現代社会において、我々動物病院業界も人の確保と維持は重要かつ困難な場合も多い問題である。それゆえスタッフの労働環境を考えるために割く時間も少なくない。自分の経験あるいはよく聞く問題として、「募集しても来ない、雇用したスタッフが成長しない、あるいは続かない、長く勤務しているスタッフはいるものの、生産性が上がらないか低下する」などがあげられるかと思うが、“ぶっちゃけ”どうすれば動物病院スタッフは快く長年にわたり働き続けてくれるのであろうか?というのが私の気になるところであり、自分が雇用される側であったときのことなどを思い出し考えても、人の気持ちは千差万別であるからかすっきりとした答えは見つからない。
労働環境を考える上で大きなウエイトを占めるコンプライアンスの問題、多くの動物病院経営者にとって難しい課題でもあるが、これは出来る限り適正化に努めるべきであろうし、当協会としても注視しているところである。しかしこれだけでは解決出来ない大きな何かをひしひしと感じることがある。そこであのCMの存在であるが、人は生きていくために仕事をする。働いた報酬を糧に生きていくのであれば、仕事は手段でしかない。辛くても働くしかない。この仕事=働くということに秘められたネガティブな側面をポジティブに表現し、働く人の支援にということは理解できる。仕事の種類によっては、働いている最中には何も笑える要素はない場合もあるであろう。だから「はたらいて、その結果何かを得ることで笑おう」という解釈などで仕事と笑顔をつなぐ必要がある。しかし世の中には、辛いことがある反面、日常の働きの中にも幸せを感じるチャンス(=笑顔)にあふれる仕事もあり、私たちの仕事はそのひとつだと思う。すなわち働くことに対するモチベーションを保つことに恵まれた業種であると感じている。それなのに、自分のスタッフをはじめ、モチベーションを保てなく苦悩している関係者がいるのは悲しい。どうすればこの仕事の良さが伝わるのであろう。
冒頭で書いたように、私は最初このCMの看板を見るたびに、「そうだよな、働いて笑って終われる人生にしなきゃ」と感じていた。ふたりの共通点は若い時から夢中で仕事をし、高齢になった今もなお、仕事をし続ける成功者であるが、高齢であることで私が感じたようなことをイメージさせたのかもしれない。もっと若くてこれからの社会を支えていくような世代にはどのように映っているのだろう。パーソナルが意図した意味で共感を持ったのであろうか。そのような世代のスタッフを抱える立場として彼らがどう感じているのかとても気になるところである。
辛い部分があることを肯定しつつ、面白いこと、楽しみ、幸せをどこにみつけるかの方法を得たものは仕事を続けることができ、必ず成長する。それは理解しているのに、どのように後進に教えればいいのかわからない。業務内容や技術を指導するのとは異なり、一筋縄ではいかない。最近は、教えるというより、そばで感じてもらうしかないと思うようになってきた。だとすると、これらを後進に伝える…なるほど高齢になって今もなお、実践できているふたりの起用は納得できる。満面の笑みで映る高齢のふたり。ポジティブに仕事を続けられる人がいるという希望の象徴なのかもしれない。解決策の見つからない私に今できることは、「私はこの仕事が好きである」という事実を後進に感じ取ってもらい、希望を無くさずに進んでもらうことくらいか。そこで天邪鬼(あまのじゃく)な私がこれからすべきだと思ったのは「はたらいて、笑おう。」ではなく「笑って、はたらこう!」である。後進に感じ取ってもらえるかはわからないが、笑ってはたらくことで、私自身がとにかく楽しんで仕事をしていることを表現していこうと考えている。

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